FSVP(Foreign Supplier Verification Program)において、アメリカの輸入業者が必要とする文書には指定のフォーマットはありませんが、FSMA(Food Safety Modernization Act)の基準を満たすために必要な内容が明確にわかるような文書の準備が求められます。輸入業者がFSVPを通じて供給者のリスク管理を確認できるよう、以下のような内容を盛り込みましょう。

1. 危害分析レポート(Hazard Analysis Report)

  • 概要: 製品ごとの物理的、化学的、生物学的危害の評価結果と、それに対するリスク管理の方法を記載します。
  • 含まれる内容:
    • 危害の特定とリスクレベルの評価
    • 危害に対する予防管理措置の概要
  • : 危害分析テーブル(危害の種類、発生可能性、影響度、リスクレベル、予防措置のリスト)
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2. 予防管理計画(Preventive Controls Plan)

  • 概要: 特定された危害に対する予防措置を実施するための具体的な手順や、モニタリング・検証の計画を記載します。
  • 含まれる内容:
    • 予防管理措置(温度管理、衛生管理、異物除去など)の詳細
    • モニタリング項目、頻度、責任者の明記
    • 検証方法と頻度(例: サンプル検査、定期点検など)
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3. サプライチェーン管理記録(Supply-Chain Control Records)

  • 概要: 供給業者が安全基準を満たしていることを確認するための記録で、主に原材料の安全性確認を目的とします。
  • 含まれる内容:
    • サプライヤーの監査結果や品質認証書(例: GMP、HACCP)
    • 原材料のロット番号や仕入れ履歴
    • 農薬や化学物質の使用状況(農薬検査結果や証明書)

4. 製造および加工工程の記録(Production and Processing Records)

  • 概要: 製造と加工工程の各段階で記録される管理データを提出できるように準備します。
  • 含まれる内容:
    • 製造工程での温度、時間、湿度の記録(例: 加熱温度・時間、保管温度)
    • 充填・包装時の異物チェックや清掃記録
    • 定期メンテナンスの記録とトラブル発生時の対応履歴

5. トレーサビリティとリコール計画(Traceability and Recall Plan)

  • 概要: 製品のトレーサビリティと、問題発生時のリコール手順を含む文書です。
  • 含まれる内容:
    • バッチやロット番号によるトレーサビリティ情報(原料・製品の履歴)
    • リコールが必要になった際の対応フローと手順
    • リコール訓練の実施記録やリハーサルの結果
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6. モニタリングおよび検証記録(Monitoring and Verification Records)

  • 概要: 予防管理措置の実施状況や検証結果を記録した文書です。
  • 含まれる内容:
    • 各工程のモニタリングデータ(例: 温度・時間記録、清掃チェックリスト)
    • 内部監査や点検結果、修正措置の記録
    • 検証結果のサンプルテストの実施記録とその結果

7. 教育・訓練記録(Training Records)

  • 概要: 従業員が適切に予防管理措置を理解し実施できるように教育・訓練を受けたことを証明する文書です。
  • 含まれる内容:
    • HACCPやFSMAに関する教育プログラムの受講履歴
    • 衛生管理や異物チェックに関するトレーニング記録
    • 定期的な再教育の記録(例: 毎年の研修記録)

記録の保管と形式

FSVPにおいては指定のフォーマットがなく、内容が理解しやすく明確であることが求められます。以下の点に留意して文書を準備すると良いでしょう。

  • フォーマットの統一: 会社内で統一されたフォーマット(テンプレート)を使用し、アメリカの輸入業者が情報を把握しやすいようにします。
  • デジタルまたは紙での保管: 記録はデジタル(PDFやExcel)または紙で保管可能です。輸入業者のリクエストに応じて提出できるようにします。
  • 英語の翻訳: FSVPに基づく文書は英語での提出が求められるため、必要に応じて内容を英語に翻訳します。
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